No.0034 第2話 神道

その5「はらう(祓う、払う)」


はらう(払う、祓う)と言うは、

「あるものがこちらに飛んで来ようとしているので、横から力を加え、進む方向を変える。このことにより、こちらに来るものを避(さ)ける、退(しりぞ)ける行為である。」
はらう(払う、祓う)
柔道などの武術でよく使われるが、飛んでくるものがどんなに大きな力であっても、進行方向を変えるだけなら小さな力、僅(わず)かな力で変えることができる。これをはらう(払う、祓う)という。

例えば、ボールが高速で飛んできた。それを受け止めるとあなたには大きな衝撃を受けることになる。でも進行方向を変えるだけなら、あなたを受ける衝撃を最低限に抑えることができる。バレーボールのレシーブはまさに「払う」である。

物が飛んできて、避(よ)けることができなければ、受け止めるのではなく、手で払いのけるのである。

例えば、物でなくても良い。それが噂や中傷などの言葉によるものであれば、それを受け止める必要はない。相手の気をそらし、噂や中傷の対象を変え、あなたに降りかかる被害を最小限に抑える。これも「払う」である。

例えば、来るものが台風だとする。あなたの家にまっすぐ向かって来る場合、台風に力を加え進路を変えることはできない。例えば、地形を利用し、防風林を植え、防風壁を作り、家を強くし、台風の進路は変えられなくても、風の向きを変え、被害を最小限に抑えることができる。これも「払う」である。

「はらう」の極意は「受け止める」のではなく
「受け流す」
ということである。