No.0010 「人は何を食べるべきか」

その1「歯の構造」

肉食動物で身近な犬や猫、そ~っと歯を覗(のぞ)いてみましょう。
すごい牙です。

猫の牙

それに比べ人の歯は、到底硬い肉を引きちぎるようにできていません。なので、赤身の肉は熟成させ、または叩(たた)いて柔らかくします。霜降り肉はとろける美味しさ(まぁ食べているのは油ですけど)なのですね。

肉食動物は必ず餌となる動物の内蔵を食べます。これは筋肉だけでは極めて栄養バランスが悪いので動物の内臓から多くの栄養分を摂取します。

人の前歯は牙ではなくスコップに近い形状をしています。あなたは肉をどのようにして食べますか?ひき肉なら奥歯を主に使用します。ステーキならばに肉そのものを調理の段階で柔らかくし、更にナイフで切って食べます。

「調理の加工方法が進化したから歯の形状が変わった」「道具(ステーキナイフ)を使ったから歯の形状が変わった」とは到底考えられません。

人は本当に多量に肉を食べる生き物なのか?

疑問が浮かんできます。

調べてみますと人間の歯にもっとも近い動物はチンパンジーだそうです。彼らは果食動物に分類されています。主たる食べ物は果物、木の実、昆虫、たまに小動物。住んでいる環境によって、果物が得られない時期には樹皮、木の根を食べています。

猿と一緒にするなと言われそうですが、歯と歯列だけ考えても、人と肉食動物である猫では違いすぎるとは思いませんか。

ちなみに犬は雑食に分類されています。でも歯を見るとどう考えても肉食です。これは長い間、人とともに生活しているため、穀物を消化する酵素が腸に定住しており、穀物消化能力があるからだそうです。 でも猫は穀物を消化できません。(あと千年か一万年、猫と同居すれば猫も雑食になるのかな)