No.0005 第1話 お守りな話

その3 「町工場で印刷?」


お守りって小さな町工場(まちこうば)で作っているんでしょ。御札だって印刷だし!ということも聞きますが。

・ここは本質かもしれませんが。まず、御札が印刷か直筆かは差はありません。というか、直筆の場合、書く人の腕と神的能力に依存します。それとやはり手書きでは数に限界があります。印刷の場合、それらに依存しないと言うか、均一に量産できます。

どういう意味かといいますと、御札やお守りの力は

その書かれている文字や印の形が力を持つ
ということです。

昔はもちろん手書きもありますが、神職、僧侶の文字から手彫りした木版を作り、それは墨(すみ)で印刷していました。または、鍛冶職人が忠実に焼きゴテに再現し、その焼きゴテで木片に焼印を入れて御札を作っていました。今では印刷で量産しています。それで良いと思います。

・御札やお守りの力は
神社仏閣に置かれることで力を持つ
ということです。小さな工場で作られたお守りや御札、そのままあなたが手にすることはまずありません。必ず、神社仏閣に納品されます。つまり、神様の足元に必ず置かれるということです。

神社仏閣にも性格があります。 特定の人物や特定のもの(例えば動物や道具など)を祀(まつ)ったものでなく、特に古くから存在する神社や仏閣のある場所は、実はその地形そのものが極めて大きな力を持っています。特に近年になって再開発で移動したとか、ダムに沈むので移動したのでなければ、神社のある場所は多かれ少なかれ力のある場所であり、人の近寄れない場所と言えます。お守りがそのような場所に置かれる、一度は運ばれるということが意味を持ちます。

・御札やお守りの力は
神職がお祓いをすることで力を持つ
ということです。神職の方は私利私欲(しりしよく)(自分の利益、自分の欲)でお祈りするのではありません。その御札を持つあなたのためにお祈りをしているのです。