No.0084 大いなる循環
貨幣と言ってもここでは金や石(翡翠(ひすい)などの宝石)などの貨幣に代わるもの、準ずるものも貨幣として扱います。
「それでは貨幣社会を考えてみましょう」
あなたの集落の人数は3000人です。
この集落の掟(おきて)は「労働の対価は貨幣で支払われる」「この集落に住むためには貨幣を納める」「物品の購入は貨幣を使う」ということになります。
「人々の生活」
農民がこの集落に住むためには、収穫した食料を販売し貨幣を得る必要があります。その貨幣を治めて集落に住むことができます。貨幣があれば、衣類、家、獣から守られる安全、武器や農具、工具を購入できます。
住居や集落の濠(ほり)や塀(へい)はみんなで作ります。もちろん労働の対価は貨幣で支払われます。住居や濠や塀、用水路や井戸といった設備(インフラ)の整備、兵の管理は集落の長(おさ)が行います。
「天地火水」
食料、衣類、住居や濠や塀、人を守る安全な環境、土器や農具、武具、それらすべて「貨幣」に変えることができる社会です。そしてこの「貨幣」を生むのは「人の力」です。
「人の力」は見えぬもの、「貨幣」は見えるもの。
「人の力」に重さは無く、情熱、熱意が必要です。「貨幣」は重く、冷たいもの。「貨幣」にも寿命があります。紙幣が破れ、汚れ、ボロボロになるように、硬貨が錆び、削れ、宝石もまた傷つき割れる寿命を持っています。
ここでは「人の力」が「火」、「貨幣」が「水」となります。「地」は集落の人々の生活の営みであり、「天」が集落の長(おさ)の仕事であることはかわりません。
「大いなる循環」
「地」では人々が「人の力」で物品を生み、労働によって貨幣を得ます。「天」である集落の長は人々から「貨幣」を集め、その資金を使って集落の整備、安全の確保をはかります。
食料や衣類の生産、農具や武具の生産は「貨幣」となり、その貨幣で家や衣類、食料を購入します。人が必要とするものを作り、それを貨幣に交換し、その貨幣で自分が必要とするものを受け取ることで次の「貨幣」を得る力となります。つまり「貨幣」を受け取ることが「人の力」を生む動力源となるのです。
まとめますと、「地では人の力が貨幣を生み、天では貨幣を使って人の力を生む」「貨幣は水の理が適用され、人の力は火の理が適用されている」ということになります。