No.0036 第2話 神道

その7「罪穢(つみけがれ)をきよめる(清める、浄める)」


きよめる(清める、浄める)というのは

悪しきものを良きものに変換する行為である


例えば、濁った水を綺麗な水に変換すのは「きよめる(清める、浄める)」行為であり、下水処理の浄化槽は「おきよめ」である。

ここで重要なのは、
変換する
ということである。

例えば、あなたが病気であり、病院に行って治療を受けるとする。投薬により、あなたの悪しき部分が良きものに変わればそれはまさに「おきよめ」である。でも、あえて投薬と書いたのには意味がある。例えば、手術をして悪しき部分を切除したら、それは「おきよめ」ではない。「変換」ではなく、「除去」だからである。ところが、その部分切除によって体の他の部分が「悪しきのもから良きものに変換され」体全体として機能が回復すれば、それは「おきよめ」である。

例えば、あなたがいつもネガティブに囚(とら)われていた結果、行動が悪しき方向へと進み、または病に陥ることがあれば、それは「罪(つみ)であり穢(けがれ)」である。「考え方を変える」というのも「おきよめ」である。

そもそも、あなたが悪しき考えにとらわれ、悪しき行動をするのは「罪」である。悪しき行動の結果、人を傷つけるもの、自分を傷つけるもの「罪」である。

あなたが性格的にはとても良い人でも、体に病があればそれは「穢(けがれ)」である。

例えば、自らの利益にのみ固執して経営する企業は「罪」であり、その会社は「穢(けがれ)ている」のである。その会社を良い方向へ立て直すのは「おきよめ」である。

「罪穢(つみけがれ)をきよめる」という意味を少し理解していただけただろうか。

「おきよめ(お清め、お浄め)」もまた、神にお願いするだけではない。そもそも
罪や穢の元凶は「人」であるあなた自身であることを理解して、あなたが何をするべきかを考え、変えていく行為こそが「おきよめ」である
ことを知って欲しい。